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2007/08/16 合格者メリットのある検定試験

 このところブームの、ご当地検定を初めとする各種の趣味的検定は、就職や転職に役立てようと受験する資格試験とは異なり、ゲーム感覚で楽しむことや純粋な知識試しといったものが殆どだったが、ここに来てその様相が少しずつ変わってきているように思われる。どのようにかというと、試験に合格して合格証書なり認定カード、バッチをもらっておしまい、というのではなく、合格したことで特典が得られたり、次のステップに発展していく、といった展開が生まれ始めているのだ。

 特典の面でいえば、例えば「唐津・呼子イカ検定試験」では、合格者は合格証を見せると、市内のイカ料理店や旅館等で割引が受けられるらしい。また、岡山県の「ネイティブ倉敷」主催で9月から開催予定のネット観光検定では、試験は無料で何度でも受けられ、合格証をプリントアウトして倉敷へ行けば、倉敷市内約200店舗で割引などのサービスが受けられる「倉敷パスポート」と引き換えてもらえるそうだ。この検定などは、まさに観光振興策としての検定試験といえる。

 また、昨年第1回目で3級・2級を実施し受験者約1万名を集めた「江戸文化歴史検定」の関連サービスとして、近畿日本ツーリストは試験主催者の協力を得て「試験対策バスツアー(模擬試験付)」を開始した。今後は、今年から開始の1級の合格者を対象に、「ご褒美ツアー」も予定されており、普段は公開していない社寺等が組み込まれた特別なツアー内容になるそうだ。

 これらの合格者特典というのは、裏を返せば試験主催者側の観光振興施策であったり、商売絡みの特典とも言えるが、単に検定を用意し受験してもらって終わりというのではなく、このようにその先のメリットを用意して受験者の継続的確保や検定の魅力増幅につなげる動きが出てきている。


 メリットとして、もっと継続的で実利の高いものもある。

 面白いものでは、大阪府池田市が開設する「池田学」講座の検定試験で、優秀な成績を収めたタクシードライバーに対し、市内のどこでもタクシーの駐停車が可能になる優遇措置を与えることを検討している。観光振興策として考えられたメリットであり、国に観光特区を申請し、府警などに「許可書」を発行してもらうことで対応する考えとのことだ。このような法令上の特典を与えるご当地検定は他に例がない。

 「検定お伊勢さん」では、上級編合格者が伊勢神宮内宮を有料で案内する「お伊勢さん観光案内人」事業を、無料試行期間を経て正式にスタートした。案内人1人に対して1グループ(2~10人まで)2,000円で、所要時間は約90分。単に知識を伝える案内というのではなく、伊勢を訪れた人の思い出深い旅作りのお手伝いとなるような案内を目指したものだという。

 更に新たな動きとして注目すべきは、ご当地検定の大御所「京都・観光文化検定」である。今年で4回目を迎え約1万人の受験者を集める西の大規模ご当地検定試験だが、1級合格者の中から「受験者が合格後に活動できる場をつくろう」という気運が盛り上がり、今年2月に合格者達約20人で準備会を立ち上げたという。その後事業案などを検討し、 「京都通」の力を地域の活性化につなげようとNPO法人(特定非営利活動法人)設立に向け動き出している。
 
 これは受験者側からの自主的な動きとして注目に値するが、この事例からもわかるように、ご当地検定を受験し合格した人達がその身につけた知識を何かに活かしたい、と考えるのは自然な成り行きだろう。特に定年退職を迎えたがまだ活力のあるシニア層にとっては、観光ガイドなどは地域にも貢献できるし、それが若干の収入にもなればうってつけの活躍の場といえるのではないか。

 今後、趣味的検定を一過性のブームで終わらせないためには、このような合格者特典、検定試験に絡む周辺サービスの充実、合格後の活躍の場の創出など、受験者側にも試験主催者側にもメリットのある展開を、次々に実現していくことが必要であろう。

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